総評:愛好家部門審査にあたって(第2回印西国際音楽コンクール)

第1回に引き続き、第2回の今回も愛好家部門を開催し、11名の入賞者を発表できましたこと、とりわけ印西市民の出場者がいらっしゃいましたことはたいへん嬉しいことでした。

前回は第1位の2名が圧倒的な差で高得点をマークしたことが特徴的でした。
今回は全体として点数が高い傾向にあり、また、上位入賞者については極めて僅差の中で順位付けがなされたことは、レベルが向上したという観点では喜ばしいことですが、単純に比較することを躊躇われる個性をそれぞれが有している演奏に対して、シンプルな数値差にしたがって順位をつけなければならない状況に心苦しさも感じました。

今回、前回同様に珍しい楽器で出場されるケースに加え、オカリナとギター、オカリナデュオといった編成においても、たいへん興味をひかれる演奏が見受けられました。愛好家部門は編成において自由度が極めて高いことが特色となっておりますが、ユニークな内容での出場が増えることはたいへん嬉しい限りで、また、審査する立場にいる意識から離れ、純粋に演奏を愉しむひとときを過ごすことができました。

他のコンクールでの演奏、あるいは同じ音源を提出されたのかなと思しきケースもあり、いずれも素晴らしい演奏ばかりでしたが、審査員が違えば結果も違うことがあったかもしれません。
コンクールやオーディションの結果は完全に”水物”で、これは出場者以上に審査員も実感することですので、結果如何にとらわれすぎることなく、いち愛好家として音楽を味わうことを第一に今後も励んでいただければと思います。

本コンクールは隔月開催のかたちをとっておりますが、これは、コンクールに向けて仕上げるのではなく、「その時いい具合に取り組めた演奏」を提出いただき、開催日程によって各個の取り組みペース、スケジュールを乱すようなことがないように、という思いのもとで立てられた方針となっております。

別の機会に「いい演奏が出来た」といったことがありましたら、再びお聴かせいただければ嬉しいです。

第2回印西国際音楽コンクール
愛好家部門審査担当
印西音楽協会[IMA]理事
井後優弥